令和8年度の税制改正で、個人事業主の青色申告特別控除(青色申告の方が所得から差し引ける控除)が見直されました。令和9年分から、要件を満たすと最高75万円の控除を受けられます。要件と届出書の期限をまとめました。

1. 75万円控除を受けるための条件

次の2つをどちらも満たす必要があります。

  • 65万円控除の要件:正規の簿記(複式簿記)で記帳し、貸借対照表を含む青色申告決算書を作ります。確定申告書と決算書を、申告期限までにe-Tax(国税の電子申告)で送信します。
  • 次のどちらか:①優良な電子帳簿の保存、②デジタルシームレス保存(国税庁の基準に合うシステムで、取引データを連携・保存する方法)

e-Taxで申告するだけでは、控除は65万円のままです。

2. 優良な電子帳簿の3つの要件

仕訳帳と総勘定元帳を、年の最初から電子データで備え付け・保存します。そのうえで、次の3つをすべて満たす必要があります。

  1. 訂正・削除の履歴が残ること訂正・削除・追加の記録が残る会計ソフトを使います。
  2. 帳簿どうしがつながっていること仕訳帳と総勘定元帳などの記録が、互いに確認できることです。
  3. 検索できること取引の日付・金額・相手先で、記録を探せることです。

年の途中から始めても、その年は要件を満たしません。令和9年分で受けるには、令和9年1月1日から運用を始める必要があります。

3. 届出書と提出期限

  • 届出書:「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る75万円の青色申告特別控除・過少申告加算税の特例の適用を受ける旨の届出書」です。名称は令和9年3月頃に「65万」から「75万」へ変わる予定です。
  • 提出期限:適用を受ける年分の確定申告期限までに、所轄の税務署へ出します。令和9年分なら、令和10年3月15日が期限です。
  • すでに出している方:優良な電子帳簿で65万円控除を受けている方は、改めて出す必要はありません。

4. あわせて変わる点

  • 令和8年分までは、書面申告でも55万円の控除がありました。令和9年分からは、書面申告の控除は最高10万円になります。
  • 現金主義(入出金の時点で収入・経費を計上する特例)の方は、65万円・75万円の控除を受けられません。

5. 当事務所からのお願い

  • お使いの会計ソフトが優良な電子帳簿に対応しているか、年内にご確認ください。
  • 令和9年1月から運用を始める必要があります。準備については、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

出典: 国税庁「75万円の青色申告特別控除を受けるためには・・・」(令和8年8月)、freee「青色申告特別控除」解説記事